前回の課題で『仕事帰りに映画を見ると、仕事で帰りが遅いのか映画で遅いのか判別しがたい』という趣旨のことを書いたところ、手の内を明かすなという抗議を頂戴しました。
家人からのチェックが厳しくなるとのご指摘でした。
しかし、映画を見るための具体的なノウハウの教授を目指すこのレッスンの趣旨からいって、ここで筆を折るわけにはいきません。

さて、会社帰りに映画を見る！と決めてもらいましたが、どうしましょう？
まずは、会社を早くに退出してください。まずはここからですが、旧来の習慣のしみこんだ方はここが最初にして最大の難関でしょう。

会社帰りに映画を見るという場合、だいたいがその日の最終上映回となるケースがほとんどなわけですが、映画館によりますが時間は１８時３０分から１９時３０分あたりです。
大阪の梅田地区の場合、単館系の映画館では１８時台、拡大ロードショー系の映画館は１９時台ですね。

会社から映画館までの距離にもよりますが、１８時３０分の映画に間に合わせようとすると、１８時くらいには会社を出たいもの。でも、終業が１７時３０分であるとすると、かなり早く帰る印象がありますよね。
どうしましょう？　次々とハードルが現れてきますね。
しょうがない、割り切って帰っちゃってください。だらだらと残っていても生産性が上がっていなければ疲れるだけだし、映画を見てリフレッシュできればいっそ明日からの仕事にはプラスのはず。
煮詰まりながら仕事してるよりよっぽどいい。

なんにしろ、映画を見ようとしたら、映画を見るだけの時間は最低限必要になるわけなので、腹を決めて下さいな。
話題のネタのためだけに映画の情報を仕入れようと思ったら、手間をかけなくても情報誌なんかで《あらすじ》、《みどころ》などはチェックできるのでしょうが、それではまったく映画を経験した事にはならないでしょうしね。
時間を消費することによって、はじめて映画はあなた自身の経験となっていくのです。このなんでもスピードの世の中でなんとも贅沢な話だと思いませんか。

だからこそ、映画館で経験したことはあなたの体の中にゆっくりと積み重なって、滋養となっていくのだ。

注）シアターＦ．通信社は、本社を大阪に構えてますので、具体例は、必然的に大阪しかも梅田地区の情報が中心になってしまいます。あしからず、ご了承ください。