大統領の理髪師 << 2005レビュー >> リチャード・ニクソン暗殺を企てた男
「バットマン ビギンズ」、「スター・ウォーズ」、「宇宙戦争」と大作が目白押しの昨今にあって、ピリッとくる作品を求めて、観に行ったのです。窓口に並ぶ人々が宇宙戦争とか言っている中で、「『フライ，ダディ，フライ』を一枚」なんて言うのは、それなりに爽快感があったりもしたんですが。
でも、わたくし的には小作品を選んだつもりでも、製作側としては決してそんな気持ちの作品ではないんですよね。主題歌：ミスチル、主演：岡田准一＆堤真一とくれば、結構キャッチャーな作品だったのかもしれない。
堤真一演じる男が、一人娘への理不尽な暴力の復讐のため、岡田准一演じる高校生から特訓を受けるんです。まあ、この高校生が、何者？ってくらいの達人なんですが。
しかし、人気ですね、岡田准一は。でも、なんだかカッコよすぎないですか。なんかこの一点の瑕疵もないって感じが、この青春映画っていうジャンルから逸脱してるような気がしてなりません。もっと、かっこ悪くてもいいんじゃない？ かっこ悪さを一身に引き受けているのが堤真一なんですけどね。
最初の白黒のシーンなんか、とても大林宣彦チックな映像。バスの男たちのシーンは、なんだか周防版「Ｓｈａｌｌ ｗｅダンス？」みたいだし。キャストがかぶってるだけなんですが。でもこの郊外のなんとはなしの雰囲気が似てませんか？
（ここまで読んで→）
堤真一の父親と、星井七瀬の娘の関係性も、ちょっとよく分からない。というか違和感がある。
仲良しって感じだったのが→暴力沙汰の事件からは、一転して口もきいてくれない→戦いの後は、わーい、やったーって感じで。そりゃ、分かりやすいけどもさぁ。
二代目なっちゃん・星井七瀬も苦手なタイプなら、奥さん役の愛華みれにしても、素直に受け取れない演技をしますね。
娘の病気の時のエピソードにしても、その語り口調が嫌なんです。これって、映画の問題じゃなく、自分自身の受け止め方に問題があるんだろうか？
なんだかケッって感じで、娘をおぶっていたのなら、見えているのは娘の背中で、夫の背中ではないでしょうとか思ってしまうというのは、八つ当たり以外のなにものでのないんだろうけど。
娘の幼い時のビデオを見ている夫の後ろから、パジャマ姿の妻が抱きつくシーンなんか、かなり嫌な気分になります。（過剰に反応しすぎ・・・ですね）
（←ここまで）
「ＧＯ」には遠かったなあ・・・。メッセージ的には、共通なものはあるんでしょうけどね。
岡山メルパ４にて
−２００５東宝／１２１分−
シアターＦ．通信
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