今宵、フィッツジェラルド劇場で << 2007レビュー >> 秒速5センチメートル
久しぶりに、映画を1800円出して観ました。タイミング的に、正規料金の時間帯にしか行けない状況になってしまったもので。まあ、チャンツィに1800円を投じたと思えば、惜しくはない・・・かな。
呉越がどうのこうのと始まるこの映画は、呉とか越とかはどの時代のことだっただろうか思い出そうとしていると、話から置いていかれそうになるので、ほどほどにしましょう。
愛していた恋人を、皇帝となった父にとられ、とある山奥に潜んでいたら、皇位を奪った叔父に命を狙われ、おまけにかつての恋人は、皇位を奪った叔父に身を許し、というような展開の中、復讐の物語が描かれます。
この王妃が、チャン・ツィイーですが、かつての皇帝、地位を簒奪した皇帝の弟、そして皇太子の愛を集める役は説得力があります。あでやかですね。
冒頭のシーンから、印象的な仮面舞踏の醸し出す雰囲気を秀逸です。ここで繰り広げれられる殺戮と仮面の無表情の対比、そしてその色彩の見事さに惹かれます。
豪華絢爛な衣装や、宮廷の装飾も見所です。このきらびやかな世界で、お互いの憎しみと不信を秘めての宴のシーンは、緊迫感漂う場面です。それぞれの心の内に隠されたものを、国を挙げての宴という公的な場で、駆け引きするという、その展開がすごい。
全編を通じての、この細部に渡る力の注ぎように感嘆します。恐るべし中国映画。
TOHOシネマズ岡南スクリーン１にて
−２００６中国・香港／１３１分（PG-12）−
シアターＦ．通信