あるスキャンダルの覚え書き << 2007レビュー >> 転校生 さよならあなた
謎めいた美少女の転校生、天女伝説の伝わる旧家の秘密、そして、対立する新興財閥との確執等々、思いっきり少女漫画仕立てでありながら、それでも、この古き良き少女漫画という趣がたまりません。
新興財閥の御曹司役も、なんだか昔の漫画に出来ていそうな役者ですものね。
天女伝説が残っている旧家に、高校生となって戻ってきた美少女の小夜子。長らく他所に預けられていたのだけど、久しぶりにも戻ってきたという設定です。鈴木杏が演じてるんですが、あの恐ろしく大きな目がとても印象的に描き出されていて、ぞくぞくとしてきます。
彼女の友達役が、本仮屋ユイカで、その平凡さが鈴木杏と比べられると、とても引き立ちます。こう言ってはなんだけど、いてもいなくてもいいような役です。
天女伝説というのは、昔天女が浜に降り立ったが、そのあまりの美しさに村の男たちは目がくらみ、陵辱してしまったというとんでもない伝説です。その後、その男たちの家系は途絶えてしまったと言われているんです。
映画の中でも、やたらと、女を力ずくでものにしようというような場面が多く、そういうすべての男たちへの復讐の物語です。
「叶家の女は幸せになれない」だとか、やたらと思わせぶりにセリフが飛び交っていますが、なんでこんなことが言われているのかが、良く分かりません。納得できる説明もないし。
雰囲気だけで、その背景が良く分からない部分が多いんです。
でも、鈴木杏が言いようのない不安で不吉な感じの女を演じて、これが見逃せない。
テアトル梅田２にて
−２００７CKエンタテインメント／１１６分（PG-12）−
シアターＦ．通信
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