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| ストーリー | キャスト | 感動感銘度 | 衝撃度 | 印象度 | 総合 |
| ２．０ | ３．０ | ２．５ | ３．０ | ３．０ | ５４ |
※各項目は5点満点、総合は100点満点
来ましたよ、ＳＦ大作映画が！ キアヌ・リーブスを主役に配して、宇宙からの使者がもたらす運命に翻弄される人類の姿を描く、という大風呂敷を広げた内容をビジュアルを駆使して映像に仕上げています。
地球に急速に接近してくる謎の天体。もはや衝突の回避は不可能かと思われたときに急に速度を落として、地球に降下してくる。そこから現れるのが、「地球を救いにきた」というメッセージを携えた宇宙からの使者を演じるキアヌ・リーブスなんだけど、「人類を」ではなくて、「地球を」と言っているところがポイントです。
勝手なことばかりして地球を痛めつける人間は、地球にとっての悪だと断定する使者に対して、やたらと繰り返される"Change"の言葉。なんど言ってる？ ジェニファー・コネリーは、"We
can change."と。人類は変われるのだと。かなりのブームなんでしょうかね、この言葉は。大統領選のオバマ陣営のような感じです。
We=USAだとすると、「アメリカは変われる」となって、この映画は全世界に対する新生アメリカのメッセージということ？？
地球を自分たち人類の所有物だと思うな！ もっと利他的な行動をしろ！ というメッセージはまっとうで反論するつもりもないけれど、映画というメディアの中で、そんなにストレートに啓蒙的なメッセージを流されても、ちょっと辟易としてしまいます。
（観てから読んで→）
でも、宇宙人・キアヌも甘い。ジェニファー・コネリー演じる母親とその息子の絆を見ただけで、キアヌが納得して矛先を納めるという展開に、かなりのとまどいも感じます。
そんなに、物分りが良くてはダメでしょ。これだけでは、人類は反省しないと思うよ。日本には「喉もと過ぎれば熱さ忘れる」という言葉もありますから。
ＣＧ的な限界も感じます。ただ単に、トレーナーや、スタジアムが、あの金属性の虫みたいなものに食われて消滅していくという映像も、それだけではなんの感慨もわいてきません。ふーんと感心するだけです。
たぶん、トレーナーのような動くものに対して、ああいう映像処理をするということは技術的にはかなり高度なテクニックが必要だし、スタジアムについてもその細かな過程を見てほしいと思うのかもしれないけれど、なんかただ客観的にしか観ることができません。
しかも、予告編で見せすぎだって。
そこに人間のドラマがほしいよね。人間が襲い掛かられてという部分は、あの巨大ロボを壊そうとしていた場面だけで、そのあと町中を襲う惨劇は、おそるべき静かさのなかで進んでいきます。なんかことごとく俯瞰なのが、ほんとに物足りない。
（←ここまで）
キアヌ・リーブスと、ビジュアル処理にお金を使いすぎて、脚本に使う予算がなかったんじゃないでしょうか。
この手のアメリカ映画は、展開、とってつけたような結末のつけ方、共に飽き飽きします。政治もチェンジするならば、映画もチェンジしてほしいと思います。
公式ＨＰも読みづらい。
岡山メルパ３にて
−２００８米／ 分−
シアターＦ．通信
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