4分間のピアニスト << 2008レビュー >> 銀色のシーズン
| ストーリー | キャスト | 感動感銘度 | 衝撃度 | 印象度 | 総合 |
| ４．０ | ４．０ | ３．５ | ４．５ | ４．０ | ８０ |
※各項目は5点満点、総合は100点満点
しかし、あまりにもブラックというか、あまりにも悪趣味というか。そこまでやりますか、という感じです。
妻子を奪い、人生を狂わせた男へのリベンジに燃えるスウィニー・トッド。天才的なカミソリさばきを売り物に、散髪屋を再開するのだけれど、復讐心はだんだんと彼を狂わせてゆく。
この理容師に、ジョニー・デップ。狂気の理髪師に恐ろしくなります。
そして、彼の復讐の相手である判事役は、アラン・リックマン。最近は、すっかりハリーポッターシリーズのスネイプ先生役が定着しているけれど、理容師ものと言えばイギリスの佳作「シャンプー台のむこうに」とのつながりで、このキャスティングなんでしょうか。ちょっとうれしくなる配役ですね。
舞台は19世紀のロンドン。煙はもくもくと空を汚し、物価は高く、拝金主義が街を覆うという、活気はあるのだろうけど陰鬱な街として描かれます。
これは、ティム・バートンによる資本主義批判・・・かな？
（観てから読んで→）
復讐心さえ、商売のネタにするという、あのミセス・ラベットが、一人でもパイ屋を切り盛りできたのは、あの巨大なミンチ機と、大きなオーブンだったことを思えば、設備導入により、繁盛できたわけです。いやいや産業革命ですね。
こういうのが、目端が利くって評価されるんじゃないですかねえ、資本主義の世の中では。やることに無駄ってもんがない。2階から直通で、調理場に直行という効率の良さ！ 日本の食品偽装なんて可愛いもんじゃないですか。
でも、ちょっと仕事は荒っぽい。
間違って指の先がそのまま混入しているし、あの調子だったら、髪の毛やら爪なんかも取り除いてないんじゃない。なんかぶつ切りにして機械に入れていたようだったし。
・・・っていうような、あえて気持ち悪くなるようなツッコミをしなければ、観続けられません。
最後にこの復讐の鬼に訪れる結末は、物悲しいものです。でも、この妻子とのくだりは、これまでの強力なブラックエピソードのせいで、なんだか印象が薄められてしまいます。特に、娘との再会シーンは。
（←ここまで）
いんちき理容師として、あの"ポラット"の贋カザフスタン人が出てきます。見るからにあやしい。
TOHOシネマズ岡南スクリーン７にて
−２００７米／１１７分(R-15)−
シアターＦ．通信