ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲 << 2010レビュー >> 告白
| ストーリー | キャスト | 感動感銘度 | 衝撃度 | 印象度 | 総合 |
| − | − | − | − | − | − |
※各項目は5点満点、総合は100点満点
今年のアカデミー賞で作品賞にもノミネートされ、一体これはどういう映画なのかと一躍注目を集めた異色作が日本公開です。
南アフリカを舞台にして、地球にやってきた異星人と人間との関わりを描く・・・といっても、未知との遭遇のようにファーストコンタクトを丁寧に描くような映画ではありません。いきなり地球にやってきた彼らは、人間から疎んじられ、南アフリカの地で隔離された生活をおくらされます。
すでにこの設定からして何らかの寓意というか、比喩というか、そういうものを感じます。
しかも、この異星人は、徹底的に我々人類に嫌悪感をもたらすような存在です。
その特異な外観から、地球人から"エビ"と呼ばれているように、外見は人類とは全く異なるし、食べ物の嗜好もネコのエサ用缶詰＝ネコ缶が大好きという変わりよう。
今年の年初は、「アバター」が席捲しましたよね。
「アバター」を観る前は、何なんだよあの青い奴らは！？なんていう感じで、異星人に対して微妙な感じで観始めてたわりには、あっという間に彼らナヴィ族に対する激しい共感とシンパシーの渦に巻き込まれてしまったけれど、この「第9地区」の異星人達にそこまでの感情移入が出来るかというと、かなりハードルは高いです。
この第9地区では正義が行われているのか、はたまた人類という同胞に対する連帯をどう捉えるべきなのか、あるいは遠い南アフリカの地で行われている不正義に対して人類として責任はあるのかないのか・・・。
まるでサンデル教授に問われているかのようなデリケートな設問が満載です。ここは、ハーバード白熱教室なのか。
人類側の主人公は、なんだかせこくて俗物であり、かなりの嫌悪感を感じてしまう人物というのも、判断を難しくする要因です。
この主人公のアクシデントを通じて、いろいろなものを観客に突きつけてくる映画です。
TOHOシネマズ岡南スクリーン１にて
−２００９アメリカ・ニュージーランド／１１２分−
シアターＦ．通信
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