借りぐらしのアリエッティ << 2010レビュー >> 鉄道員
| ストーリー | キャスト | 感動感銘度 | 衝撃度 | 印象度 | 総合 |
| − | − | − | − | − | − |
※各項目は5点満点、総合は100点満点
薬師丸ひろ子さんが新垣結衣のお母さん役ででていることだけが気になっていた映画ですが、今話題の向井理が出ていることが気になっている女性の方もいることでしょう。
そういう意味から、若者向け映画なのかと思っていたら、結構幅広い年齢層に目配りしている映画なのかもしれません。
まあ、でも完全にターゲット対象外だとは思うので、薬師丸ひろ子さんだけで観にいく動機としては弱いなあと思っていたら、試写会のお誘いがあったので、そそくさと行ってしまいました。
北海道に生まれ育った男の子と女の子が恋に落ち、いろいろな人生の変遷があって・・・という内容ですが、ぬるい、うすい、浅い、の三拍子が揃ってしまっています。まあ、自分が観たら、そんな感想しか抱かないだろうなあという当然の予感はありましたが。でも、先入観を持たないように、きわめて真摯に観たつもりではあります。
唯一、教訓というか自戒を引き出すとしたら、自分たちの純愛を正当化するために、他人の人生に対して幸不幸のジャッジを押し付けてはいけないなあということです。
結局、蓮佛美沙子の役は、あれでよかったねえということにしたいのか？ まあ片方の方はああなっちゃったんだからしかたがないとしても（でもそれは映画のストーリーの中ではしょうがないということであって、脚本としてああいうことにしてしまうというのは本当に安易だと思いますよ）、もう一方の方は本当にかわいそうだよね。純愛って迷惑！
カナダから始まった物語は、北海道、東京、ニューヨークと、かなり大きなロケーションで広がっていきます。
冒頭のカナダについては、"カナダ なんとかなんとか"と具体的に地名が出るのに、次に現れる北海道は、"北海道 道東"っていうのはないんじゃないの。そんなのいいかげんすぎるっしょ。道東って・・・ガクッときますよ。
かように、これだけの場所を股にかける必然がよくわかりません。カナダの小さな町でねえ、そんな漁船の模型がねえ、目に付くんですかねえ、まあ、純愛ですからねえ、ミラクルはおきるんですねえ。
キャスティングは、男の子に生田斗真、女の子に新垣結衣というように、人気のところを揃えてはいます。なんだか大声張り上げれば、絶叫すれば、熱演ってことになるという誤解が、日本映画ではびこっていませんか。予告でもやたらどなったり、大声だしたりしている演技を見ると、本当に心が冷えてきます。
先入観を持たずに見た結果、意外と生田斗真はよかったです。北海道出身ということで、北海道弁が板についていたからでしょうか。
日本映画の好調って今も続いているんだろうか。日本映画のピークなんて過ぎてしまったんじゃないでしょうかね。一時期、ハリウッドでは大味のアクションだけの考えていない映画っていうのは量産されたけれど、日本映画の安易さに比べれば、描き出そうとする世界観というかスケールに彼岸の差があるような気がします。
小さい物語だからいけないっていうわけではなく、あまりにも話が安易なんじゃないでしょうかね。こういうのって、そのうち、しっぺ返しくらうんじゃないのかな。
TOHOシネマズ岡南スクリーン２にて
−２０１０東宝／９４分−
シアターＦ．通信
借りぐらしのアリエッティ << 2010レビュー >> 鉄道員