| ストーリー | キャスト | 感動感銘度 | 衝撃度 | 印象度 | 総合 |
| ３．５ | ４．０ | ３．５ | ３．５ | ４．０ | ７４ |
※各項目は5点満点、総合は100点満点
invicusって英和辞書で調べても出てこないし、どういう意味なのって思ったら、英語ではないんですね。しかも、invictusっていうのは、ヘンリーという人の詩の一編だそうです。映画の中でモーガン・フリーマン演じるネルソン・マンデラがいうセリフも、この詩のものなのですね。
うーん、こういう基礎的な前提条件というのは、欧米人であればinvinctusと聞いた時点で当然了解しているものなんでしょうか。前提や背景などをどれだけ知ってるかは、映画への理解の深みに大きく関係しますよね。
でも、この作品の芯の通った力強さは、前提知識なしでも響いてきます。
白人支配社会から、初の黒人大統領になって、自分がされた仕打ちを白人に向けるのではなくて、融和させることに腐心したネルソン・マンデラ。
白人支配の象徴であった自国のラグビーチームを、融和の旗印にしようとしたところに、マンデラの戦略としてのしたたかさのようなものも感じます。
大統領として、白人支配からの脱却がいきすぎて白人排除に傾きかけた流れを引き戻した彼の手腕は、スタッフなど身近なあらゆる人に対する関心の持ち方にその源泉があるような気もします。
理想と戦略と、そしてなによりも負けざる魂を持っているネルソン・マンデラに対して、素直に向き合ってみたい映画です。
大統領を演じたモーガン・フリーマンと、ナショナルチームのキャプテン役のマット・デイモンがかなり良い。
TOHOシネマズ岡南スクリーン１にて
−２００９アメリカ／１３４分−
シアターＦ．通信