ゴールデンスランバー << 2010レビュー >> インビクタス 負けざる者たち
| ストーリー | キャスト | 感動感銘度 | 衝撃度 | 印象度 | 総合 |
| ３．５ | ３．０ | ２．５ | ３．０ | ３．５ | ６２ |
※各項目は5点満点、総合は100点満点
一見ファンタジーとして描かれているこの映画は、大人に殺されてしまった子供たちへのレクイエムです。
幸福な家庭に育った少女スージー・サーモンが、ある時、狡猾で卑劣で変質的な男に殺されてしまいます。巧妙なわなをしかけて、学校帰りのスージーを誘うこの男は、近所の住人でありながらも殺人嗜好者です。
この卑劣な男に対して、スージーが殺人を直接的に告発したり、復讐をするという方向にいくのかと思っていたけれど、話はなかなかそういう方向へはいきません。
無念にも殺されたスージーを迎えてくれるのは、美しい死後の世界です。美しくはあるけれど、残された家族の悲しみなどの想いが、影響する世界でもあります。でも、そこでのスージーは、死の直接的な恐怖や痛みなんかを持ってはいないことが救いです。
死んでからも思っているのは、初恋の男の子とキスできなかったこととか、極めて女の子らしい気持ちであって、殺人者に対しての直接的な恨みを晴らすということにはなりません。あえて、そういう方向には行かないようにしているんだろうけど。
（観てから読んで→）
彼女の遺体が入っているであろう金庫が捨てられるときに、殺人者に当然なにかがおこるのかと思っていたけれど、やはりそういう方向へは行きません。彼女には復讐よりもやらなければならないことがあるんです。
でも、残された家族は、段々と核心に近づいていきます。そのときも、スージーの直接的なアシストはないんですよね。
最後も復讐されてというよりは、自業自得という感じだし。
もっと、ひどい目にあわせるべきだろう的な欲求は満たしてはくれません。
（←ここまで）
ピーター･ジャクソンの慈愛に満ちた映像に、殺されてしまった子供たちも死後にこのような美しい世界にいてくれたらという願いが込められているような映画です。
アイテム的には、生前にスージーが使っていたカメラに懐かしさを覚える人も多いことでしょう。ポケットカメラだったっけ。カートリッジみたいなフィルムを入れる横長のカメラ。写真をとりすぎて、親に現像代がかさむ！って怒られたところも、日米変わらず見られた風景なんですね。（このフィルムがおおきなヒントになるわけですが）
TOHOシネマズ岡南スクリーン５にて
−２００９アメリカ・イギリス・ニュージーランド／１３５分−
シアターＦ．通信
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